数年ぶりの清澄庭園での吟行句会。

此処は、江戸の豪商紀伊国屋文左衛門の屋敷跡と 伝えられている。 明治に岩崎弥太郎が一帯を取得してから、 三代に渡り築いた名石の庭園。

句会場の涼亭は国賓をお迎えするために 岩崎家が建てた池に突き出た数寄屋造り。 ガラス越しに三方が見える気持ちの良い部屋での 句会であった。

着膨れて観る双子座の流星雨     卓

下町のカフェに漂ふ明の春      政紀

春暁や吾より若し死亡記事      道雄

深緑を覆ふ雲間に深紅の実      礼子

調べるは債権放棄春の雪       文江

羽ばたくを余所目に数多浮寝鳥    冨貴恵

葉牡丹の色鮮やかに朝日かな     次昭

軽やかな包丁の音春近し       泰男

水底を動くものあり春近し      ひろ子

挙式すと甥の報せや春近し      幹

陽だまりを伊予の青石春近し     道夫

重ね着に潜む小悪魔エレキテル    人

平らかに湯舟香るや冬至の日     修平

梅の花白凛として春日差し      豪騎

摺足の近付く茶席春隣        昭子

本日の最高点は同点で

水底を動くものあり春近し  ひろ子

軽やかな包丁の音春近し   泰男

季語を理解して作られている句が多く、 選句に苦労しました。

次回の春の句会の兼題は 『雲雀』。 歳時記を開けて雲雀の下に出ている

傍題の中からも選んでください。

松山からの投句もお待ちしておりす。 d149f9.jpg