今回は清澄庭園での句会を用意しておりましが、オミクロン株という新型コロナ蔓延で、
紙上句会になってしまいました。23人67投句。
俳句は特殊な文芸です。有季定型と言われている様に五七五、季語、切れにより成り立っている文芸です。
俳句は引き算。余計な言葉を、捨てることによって、スッキリと格調のある句になります。
作句と選句は車の両輪です。
良い句が多く選句に苦労されたとの声がありました。
選句はまず言葉の意味を理解し、それから想像を広げて下さい。
少なくなりましたが季語のダブリがあり、これが?と思われる去年(こぞ)、帰省子、長閑、賀状。
上下を入れ替えたり、推敲を重ねると研ぎ澄まされた句になります。
今回の最高点句は「人日や赤き実を踏む試歩の道 いづみ」でした。
次回春の句会の兼題は『暮の春』です。
歳時記をよく見て季語の本意本情を理解してください。(主宰)
南朝の遺せし社山眠る 和夫
人日や人は来ずして猫来たる 卓
切り裂くや鳥の鳴き声冬の朝 政紀
事始軸の難字の読めぬまま 道雄
幾人も追い越されたる背に暮雪 礼子
百人一首まなじり決す幼子よ 文江
淑気満つ氏神さまの八十段 冨貴江
春近しベサメムーチョを口ずさむ 泰男
継ぎ足しの貨物列車は枯野行く 環
人の日の朝の光を総身に ひろ子
母逝きて早や十四年冬の空 幹
松納猫といつもの暮らしかな 宜子
攻めあぐむ飛車角なしの冬の陣 道夫
人日や通ひなれたる裏通り 千秋
人の日や弟逝きし西の空 等
門松や湯篭抱へて道後の湯 由美
人日や菜屑啄む群雀 人
昼酒は今日で御仕舞七日粥 誠一
人日や白味噌仕立て懐かしむ 修平
野良猫の群れず生き抜く寒の朝 豪騎
冬晴や利根川越しの朝の富士 いづみ
空青く枯木の影にけんけんぱ 幸宏
人日の荒き浜風日を砕く 昭子
今回の最高点は
人日や赤き実を踏む試歩の道 いづみ
以上