久し振りにやまなみ句会が六義園で開催された。
コロナの関係で、紙上でしか開催する事が出来なかったが、
やはり座の文芸と言われる俳句は、対面が一番と思った。
参加は9名であったが、投句された方は合計22名。
活発で密度の濃い句会であった。
<主宰選句>
ゆつたりと下る浮木や暮の春 和夫
寒暖を行きつ戻りつ暮の春 卓
床の間を背にうたた寝や暮の春 政紀
指折りて折りて苦吟や暮の春 道雄
山鳩は化身のあなたけふも来し 文江
春暮るる畑に鴉の威しかな 冨貴江
がらがらと雨戸の音や暮の春 泰男
最終便の別れ色々暮の春 環
半眼の露座の大仏花曇 ひろ子
春疾風印旛の砂を巻き上げぬ 幹
生垣の雀騒がし木の芽風 宜子
春の城刻印石の光りをり 道夫
黒文字に残る香りや桜餅 千秋
里山に春の足音空の色 等
空と海一つになりぬ花曇 由美
流れ雲眺め彳む暮の春 人
遠浅の海の入日や暮の春 誠一
入替の頃合い迷ふ暮の春 修平
野良猫の眠りこけたる春の朝 豪騎
行く春や波に託せし厚き本 幸宏
水温む畦に並びしランドセル いづみ
古民家をくゆり立つ煙暮の春 昭子
今回の最高点は
黒文字に残る香りや桜餅 千秋
松山からの投句で13期の男性です。
次回夏の句会の兼題は『草いきれ』です。
歳時記をよく読んで作句して下さい。