4月は句会で、久しぶりに芭蕉記念館に集まりました。
今回の兼題「四月馬鹿」は難しいという方が殆どで、季語を正しく理解されな
かったようでした。きっと面白い句が沢山出てくると楽しみにしていたのです
が・・・。
しかし句座での意見交換は大変素晴らしいもので、一気に上達され
ているのがわかりました。俳句は座の文芸です。

今回の最高得点句は、幹さんの「春菊の香り立つなり酢味噌和え」でした。

次回夏の会の兼題は「土用波」です。

 ヴィーナスの生まれし海辺天うらら   和夫
 ビル街に沈丁の香や人の住む      卓
 春の庭石燈籠の雨の後         政紀
 特選句それは俺様四月馬鹿       道雄
 のどけしや日暮れの瀬戸の水平線    冨貴江
 顔のなき身代わり不動春寒し      泰男
 逆上がり足が蹴上ぐる春の雲      環
 てふてふの風の形に跳びにけり     ひろ子
 春菊の香り立つなり酢味噌和え     幹
 金継ぎの碗に汲む白湯桜舞う      宜子
 鶯や竹林やがて古屋敷         道夫
 玉網の破れむばかり桜鯛        千秋
 四月馬鹿台湾海峡波高し        等
 山を愛で里さ迷うて花疲れ       由美
 花万朶反身に背負ふランドセル     人
 わが入れしアポを忘るる四月馬鹿    誠一
 水底の小さき影や水温む        修平
 巻き寿司の牛蒡の香り母の顔      豪騎
 親しげに都電に触るる躑躅かな     幸宏
 見はるかす関東平野遠霞        いづみ
 手相見の大金持ちと四月馬鹿      昭子