今回の句会は
江戸の初期、水戸徳川家の頼房によって造られた
小石川後楽園で行われた。
俳句は今、此処、我と言われるように
眼前に今起こっている事を自分は見ている。
それを踏まえての作句である。
出席欠席合わせて21名の句が集まった。
病床に過ぐる日知らず晦日蕎麦 和夫
付け替えるスノータイヤの重さかな 卓
冬の空ビルの谷間に昇る日よ 政紀
呼び捨ての友の武骨な賀状かな 道雄
竹輪麩を足してことこと雪催 冨貴江
雪催達磨のごとく着込むかな 文江
初場所や捨て身の技にどつと沸き 泰男
太棹の野太き音や雪催 環
枯葦や川面飛び立つ一羽二羽 幹
見送りの合掌の背や雪催 宜子
冬晴れや地蔵の被る赤ずきん 道夫
碑ひとつ残る官衙や雪催 千秋
童らの家路を急ぎ雪催 等
十重二十重雲重なるや雪催 由美
甘塩をさらに薄めて七日粥 人
冬木立一直線の単線路 修平
曇天に咲きし紅梅円月橋 豪騎
雪催たそがれ時の酒と鍋 誠一
伴走のロープを頼む初稽古 幸宏
瀬戸内の城下育ちよ手毬唄 いづみ
方丈の時を止めたり冬紅葉 昭子
今回の最高点は
初めての氷柱そつと舐める子ら 由美
冬晴れや地蔵の被る赤ずきん 道夫
小刻みに湯気を吹きたり根深汁 昭子
次回春の句会は「四月馬鹿」が兼題です。