11月25日 浜離宮の芳梅亭で句会は始まった。
浜離宮は
海水を引き入れた池と二つの鴨場があり
江戸城の出城の役割を果たしていた将軍家の庭園。
明治以後は皇室の離宮となった。
久し振りに女性の参加が多く、和やかな中にも
活発な意見が飛び交う句座となった。
ゆったりと波打つ砂丘いわし雲 和夫
冬近し早き夕餉の老夫婦 卓
山の端のぼんやり浮かび秋時雨 政紀
愛車との別れの朝や秋時雨 道雄
秋時雨陰口耳に老いを知る 文江
山峡の煙立つ田や秋時雨 冨貴江
郷里へ帰る夜汽車や秋時雨 泰男
菅笠の二つ傾ぐや秋時雨 環
鷹柱玄界灘を立ち上がる ひろ子
かなかなの鳴き渡りたる笠森寺 幹
秋澄めり托鉢僧の網代笠 宜子
単線の待合室や秋時雨 道夫
菊炭の残り香ありて名残の茶 千秋
里山の廃屋煙る秋時雨 等
薄墨にけぶる城郭秋時雨 由美
思草伊予のタルトののの字かな 人
秋時雨物置隅の一輪車 修平
秋時雨栄華の跡の土と石 誠一
天空に万葉まとい立つ銀杏 豪騎
盆栽の小さき柿の実剪りにけり 幸宏
秋夕焼じいじの歌う子守唄 いづみ
夕暮や色なき風の矢継ぎ早 昭子
今回の最高点は
冬近し早き夕餉の老夫婦 卓
閉店の張り紙揺れて秋時雨 誠一
次回冬の句会の兼題は「雪催」
歳時記を見て字を確認して下さい。