3月の講演は元外交官の(5期)石河正夫氏による「戦争と平和」の逆説的
ロジック―ロシアのウクライナ侵攻からの教訓―でした。
ローマ人の格言「汝平和を欲するなら戦いに備えよ」が現実味を帯びてきた。
平和的な言動が独裁者の侵攻を誘発。国際社会では軍事力のみが抑止効果。
台湾有事は日本の有事であるなど。
日本も決断を迫られる時期がきているようで、
国会でのんびり議論をしている場合ではないと感じた。
大変活発な会となった。
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「戦争と平和」の逆説的ロジック
2023.03.24
―ロシアのウクライナ侵攻からの教訓―
(講演用項目メモ)
石河正夫
1.直線的論理と逆説的論理
① ローマ人の格言「汝平和を欲するなら戦いに備えよ」
② 奇襲作戦(義経の一の谷の戦い、真珠湾攻撃)
③ 戦争の終結の困難性(広島長崎への原爆投下、マ元帥の艦上スピーチ、東京裁判)
2.平和的な言動が独裁者の侵攻を誘発する
① 1979年6月カーター大統領SALTⅡ調印後、12月ソ連軍アフガニスタン電撃的侵攻
② 2013年9月オバマ大統領が「米国はもう警察官ではない」と発言。
2014年3月プーチンがクリミヤ半島に侵攻。米国は黒海に軍艦を派遣したのみ。
③ 2021年末頃よりウクライナ国境付近にて露軍の演習に対するバイデンの弱い反応
④ 2022年2月24日 露軍のウクライナ侵攻
3.軍事力の非言語的機能と既成事実
① 無法者がのさばるジャングル社会では相互主義(目には目を歯には歯を)が有益
② 国際社会では軍事力のみが抑止効果(国内社会では法律、警察、裁判所などが抑止力)
③ キッシンジャー博士の警告―小さな侵犯でも絶対許すなー既成事実になる。
4.台湾有事は日本の有事
①第1列島線(沖縄―台湾―フィリピン)の制海権確保がポイント
②台湾海峡が中国の支配下になれば日本のタンカーなどはブロックされる。
③台湾有事のシュミレーション(CSIS)
日本の自衛隊が応援すれば中国軍の台湾進攻阻止可能。
5.日米同盟の強化と英豪独印諸国との連携
①「2プラス2」共同発表(2023.1.11ワシントンDCにて)
反撃能力と継戦能力の増強
② 日英関係の強化
RAA(23.1.11日英部隊間協力円滑化協定)
英国新型空母が横須賀来航(21.9.4)
③ AUKUS(米英豪)及びQUAD(日米豪印)
豪州の原子力潜水艦9隻の建造に米英の協力(21.9.15)
力による一方的な現状変更を許さないと宣言(22.5.24)
④ インド太平洋戦略―安倍総理のインド国会における演説(2007.8)
(了)