緊急事態宣言が再度発せられ、1月の句会場の六義園が休園となり「紙上句会」 となりました。
今回も22名の参加を頂きました。
最高得点句は、宣子さんの「はかなさを水に映して冬桜」でした。
主宰からのコメントは、
踊り字 人々、時々、刻々等、同じ漢字を重ねる時に使う「々」は漢字ではなく記号 です。ですから俳句では使いません。
俳句での小文字は大文字で表記 ぼっちゃん→ぼつちやん 俳句を作る人の半分以上は文語・旧かなで表記されます。ですからこれは文 語文法による表現なのです。外来語はそのままです。
季語には送り仮名が無い場合があります。 鉦叩、木枯、書初等、歳時記で確認してください。
暮れなずむという言葉があります。暮れそうでなかなか暮れないでいる事で す。実際には夏の方がなかなか暮れにくいのですが、前の季節(冬)と比べて いるので春にしか使えない言葉です。そろそろ春の季語となりそうです。 釣瓶落しも同じ事で、前の季節(夏)と比べ暮れるのが早くなったため、秋の 季語となっています
次回春の句会の兼題は『鞦韆』です。傍題としてぶらんこ、ふらここ等。
一人一句、主宰選句として下記に掲載してあります。
丸め餅関西風の具にしよか 和夫
人日や鯛のあら煮とぬるき燗 卓
寒昴野口飛行士手を伸ばす 政紀
コロナなど存じませぬと奴凧 道雄
除夜の鐘ことに寂しき音となり 次昭
大雪や五臓六腑の震へをり 文江
好日や五年日記を買ふ傘寿 冨貴江
コロナ禍の短き逢瀬冬日和 泰男
クリスマスイブにオールドジャズを聴く 環
星屑を宿しチャペルの冬木かな ひろ子
夜の更けて干大根の縮みけり 幹
蠟梅に少し遠見の香りかな 宜子
アマビエの羽子板市に並びをり 道夫
凍喋の揺るがぬ翅や小糠雨 千秋
黄昏の羽子板市や人の波 等
流木を燃やす暖炉や波の音 由美
忌日はや巡り来たりぬ冬銀河 人
白線の化粧直しや年の暮れ 修平
青空へ羽子撥ね上げる少女かな 誠一
おかつぱや羽子板市の年の顔 幸宏
冬灯胸にまどろむ熱の子よ いづみ
羽子板市贔屓役者を懐に 昭子
羽子板市のように六文字の言葉は上五か中七に おいて作ってください。 下五の字余りは大方の結社で好まれません。 上六になるのは最後まで読み進んでいるうちに 忘れてしまうと教えられました。
次回の春の句会の兼題は『鞦韆』です。 しゅうせんと読みます。 傍題はぶらんこ、ふらここ、ふらんど、半仙戯 以上