何時までも下火にならないコロナの為、急遽紙上句会に切り替えたやまなみ句会。
長期にわたる自粛生活の為、作句に苦労した会員の作品を発表します。
花吹雪水面に落ちて啄まれ 和夫
ブランコや雲映したる潦 卓
母親の鞦韆握る腕つよし 政紀
ブランコの軋む音聞く八十路かな 八重子
別れなし出会いなけれど桜咲く 道雄
ぶらんこを競ふ逆立ちするほどに 冨貴江
鞦韆は幼き頃の思い出か 次昭
櫻花けふを最後と眺めたり 文江
夜桜を集めて映ゆる水面かな 礼子
気が付けばぽつんと一人喜寿の春 泰男
廃校のぶらんこ隠す草の丈 環
踏青や霊峰富士を眼間に ひろ子
雨に濡れ蕾膨らむ躑躅かな 幹
山嶺をふれむばかりに春の雁 千秋
五十段登り桜を求めけり 道夫
鞦韆や富士山遥か雲の上 等
青天や拳突きあぐ白木蓮 由美
霾や砂漠のロマン紡ぐ風 人
春寒や小さき葬儀願ふ父 修平
ふらここや高さを競ふ下駄飛ばし 誠一
うららかや乳を飲む子の手のえくぼ いづみ
ふらここや山の麓の祠まで 幸宏
鳥帰る天覧山を朝立ちに 昭子
今回の最高点は11点
廃校のぶらんこ隠す草の丈 環
主宰からのコメント、
大変苦労された様子がよくわかる句が多く見受けられました。今一度、初心に帰り思い出してください。
俳句は世界で一番短い詩です。しかし、俳句は有季定型の韻文です。
それは、季語、五七五、切れで構成されています。切れには、切字と句切れがあります。場面の切り替えが出来てない切字が散見されます。何処で場面が変わっているのかよく見極めて下さい。そして、「いま」「ここ」に「われ」を置いて作句してください。
次回夏の句会の兼題は『サルビア』です。